yofuu’s memo

あらゆるものを一口レビュー

【ブックレビュー】「リペアラー」大沢在昌 評価:☆☆

40年前、とあるビルの屋上で見つかった死体。そこに隠された秘密とは?

絡まりあった謎を少しずつ解明していくミステリー。なのですが、オチが酷すぎて…。

主人公は売れないイラストレーターの五頭 想一(ごず そういち)。腐れ縁のライター、穴川 ミヤビが謎の依頼者から「40年前に、あるビルの屋上で見つかった身元不明の死体の正体を調べて欲しい」という依頼を受けたことから、一緒に調査を始めます。

しかし、調べるほどに新たな疑念が見つかり、謎は深まって行くのでした…。

 

調べるほど謎が深まる序盤は「一体どんな真相が待っているんだろう」とワクワクして読んでいました。想一の祖父があらゆる方面に顔が利く有力者というのが、作者が行き詰まったときの保険のようで少し引っ掛かりはしましたが。

 

想一とミヤビが色々と考えながら調査していく過程も面白かったです。少しずつ真相に近づいていく手応えも良い感じ。

 

…だったのですが。

 

結局、最初に引っ掛かった不安が的中し、お祖父ちゃんに助けてもらう羽目になります。しかも、実はお祖父ちゃんが真相を知っているというおまけ付き。

更に、真相自体もトンデモで酷過ぎ。もう、「は?ナニソレ?」という感想しか出ません。想一とミヤビが苦労して調査してきた意味も全く無し。

 

これまでの話が台無しで虚無感しか残らないんですが。私は一体何を読まされてきたんだろう…。

 

想一とミヤビなどキャラクター間にドラマもないので、正直に言って全く読む意味のない作品でした…。