【スマホゲームレビュー】「アルテイルNEO」 評価:☆☆☆
システムは最高、だが…
ユニークで完成度の高いゲーム性を持つDCG(デジタルカードゲーム)。
数多あるDCGの中でも、システム面では圧倒的に面白いです。他の有名ゲームなど足元にも及ばないと断言できます。
目次
2018年10月25日にコアエッジからリリースされました。私は知らなかったのですが、元々ブラウザゲームとして人気のあったタイトルのスマホ版だそうです。
ゲームシステムで特筆すべき点は4点。(4点もあることが、まず賞賛に値します!)
- ドローがない
- 両プレイヤーの同時進行
- シールドシステム
- ユニットの復活
基本ルール
最初に基本ルールの概要を説明します。
毎ターン、SPというポイントが2ポイント貯まります。このポイントを使って、ユニットの召喚や魔法の発動を行います。また、召喚したユニットにはSPを使って発動する能力を持つものもあります。
召喚したユニットの攻撃や魔法で相手のライフを0にすれば勝利です。
ただし、どれだけ多くのSPがあっても、使えるカードは1ターンに1枚だけです。
ユニットは9×9のフィールドに配置します。
ユニットには射程があり、攻撃するときは射程内のユニットにランダムでダメージを与えます。
ドローがない
一般的なカードゲームでは、出すカードを手札から選びますが、このゲームには手札がありません。
そう、手札がないんです。
「オレのターン!来たぜ運命のカードが!」
みたいな運ゲーとはおさらばです。
では、どうやって使うカードを選ぶのか?
デッキから直接選びます。
このシステムにより、デッキに1枚しか入れていないカードも大活躍します。この為、デッキ作成が非常に面白く、大きな意味を持っています。
両プレイヤーの同時進行
ターンは、各プレイヤーが交互に行うのではなく、同時に進行します。
お互いに1枚カードを選び、ユニットなら一旦保留、魔法ならその場で効果が発動します。
ユニットには「速さ」のステータスがあり、このステータスが大きい(速い)ユニットから順番にアクションを選択していきます。(速さが同じ場合の行動順はランダム)
交互ターン制だと相手のターンを待つ時間が無駄に感じてストレスになる上、試合時間も伸びますからね…。さくさくプレイできるのは気持ち良いです!
シールドシステム
このゲームには、「シールド」という特殊なカードが存在します。
シールドはデッキ構築時に5枚選択します。
シールドにはLPというステータスがあり、この合計+1がプレイヤーのライフになります。
ゲーム中にプレイヤーに攻撃したときは1番左にあるシールドのLPが1つ減ります。シールドのLPがなくなると、そのシールドが破壊されて効果が発動します。
シールドには属性などがないので、デッキとは全く無関係に選択することができます。この為、デッキの弱点を補ったり、デッキとのシナジー(相乗効果)を狙ったりと戦略の自由度が大幅に広がっています。
また、試合中もわざとLPを減らしてシールドを発動させるなど、プレイングの幅も広げています。
強力な効果を持つシールドはLPが少なく、何回かプレイヤーが攻撃されれば負けてしまいます。かと言ってLPを多くすればほとんど戦局に影響を与えない効果しかない…。また、どの順番に配置するかも重要です。
選択が悩ましくて楽しい、素晴らしいシステムです!
ユニットの復活
ユニットはHPが0になると倒されるのですが、次のターンに復活できます!(デッキの同名カードを1枚捨て、SPを1消費します)
復活しなければLPが1減りますが、召喚時のSPが戻ってきます。
これがまた構築とプレイングの幅を広げます。
ずっとフィールドにいて欲しいユニットはデッキ上限の3枚入れるとして、ピンポイントで使いたいユニットはどうするか。1回倒されて終わりだと、LPが減る上、基本ルールで説明したようにユニットは1ターンに1枚しか召喚できないので盤面で負ける可能性が高くなります。
また、試合中もあえて復活させずにシールドを発動させたり、戻ってきたSPでより強いユニットを出すこともできます。
どれだけ人を悩ませてくれるんだ、このゲームはっ!!
運営が…運営だけが…
ここまで、いかにこのゲームのシステムが素晴らしいか、お分かり頂けたでしょうか。
これでもまだ書き切れていない部分もあるのです。本当に、このシステムは奇跡的と言っていい出来です。
なのに評価は星3。
なぜか?
鋭い方はもう予想がついているでしょう。
そう、運営です。
リリース当初はログインボーナスとデイリーミッションが豪華で、ログインボーナスで週4パック、デイリーミッションで1日1パックほどが入手できていました。
ところが、リリース後2ヵ月ほどでそれが大幅に減少されました。ログインボーナスで週1パック、デイリーミッションで3日に1パック程度になりました。
合わせて、イベントの報酬やランクマッチでの順位による報酬も激減しました。
それと同時に、カードを分解して得られるゲーム内通貨も半分程度になりました。
新パックは毎月追加されていきます。
計算してみると、環境についていこうと思うと、毎月数万円の課金が必要になることが分かりました。
この時点で、私は残念ながら脱落しました。
どんなに良いゲームでも、カードゲームはカードがなければ楽しめません。私には毎月数万円を課金する経済的余裕はありません。(他の趣味や自分への投資にそれだけつぎ込めば相当なことができますので、そちらを選択します)
恐らく、これで無課金・微課金層は離れてしまったのだと思います。
その後も改善されたら復帰したいと思って経過は見ていたのですが、結局は過疎化が進んでいったようです。
他にも色々と問題があったようですが、詳しくは知らないので書けません。
気になる方はグーグル先生に聞いてみて下さい。
そして、ついに2019年11月29日でサービス終了との発表がされました。さもありなん。
ただ、運営も悪いところばかりではなく、オフラインイベントやユーザー大会、カードイラストや声優の募集など、面白いと思う仕掛けもたくさん行っていました。また、比較的ユーザーの声を聞いてくれていた感じもありました。
それだけに、廃課金者以外を追い出してしまったのが致命的な失敗だったと思います。
これほどに優れたゲームがなくなるのは惜しいことです…。