【漫画レビュー(完結)】「CLAYMORE」八木教広 評価:☆☆☆☆
人喰いの化け物と戦う、半人半妖の女戦士たちの物語。
芸術的と言っても良い絵で重厚なストーリーが綴られる名作です!
「妖魔」と呼ばれる人喰いの化け物が存在する世界。文明はあまり発達しておらず、住民たちは素朴な暮らしをしています。
妖魔に唯一対抗できる力を持つのは「クレイモア」と呼ばれる女戦士たち。彼女たちは妖魔の血肉を取り込み、半人半妖の身体となることで超人的な力とスピードを手に入れています。
しかし、それは一歩間違えば自らも妖魔に変貌してしまう危険な道。それを踏み外した者はより凶悪な妖魔である「覚醒者」と化すため、かつての仲間であっても斬らねばならない宿命を背負っています。
主人公であるクレアもそんな日々を過ごしていましたが、あるとき共に覚醒者と戦った仲間から、彼女たちを作り出した組織への疑念を聞かされます。組織の謎を少しずつ解いていくクレアですが、そんな中最強の覚醒者「深淵の者」との戦いに召喚されることになるのでした…。
何といっても特筆すべきは覚醒者たちの造形です。グロテスクでありながら美しさを感じさせ、芸術的です。しかもそれぞれの覚醒者によって全く異なる個性を持つという…これは驚嘆すべきことだと思います。
このデザインセンスと書き込み量…。圧倒されます。
アクションシーンなどの躍動感は少し物足りない感じはするものの、キャラクターも美しいですし、同じように見えてさり気なく装備が違っているなど細かい点まで描かれているのが凄いです。正に「神は細部に宿る」。
ストーリーも素晴らしいです。組織の謎を追う本筋がしっかりありながら、それを巡るクレイモアたちの物語に感情を揺さぶられます。
意外なキャラクターが活躍したり、ラストにもどんでん返しが用意されていたりして、最後の最後まで楽しめました。
ダークファンタジーの名作ですので、一度読んでみることをオススメします!