【漫画レビュー(完結)】「嘘喰い」迫稔雄(さことしお) 評価:☆☆☆☆
命懸けのギャンブルに身を投じるギャンブラー達の話。
ギャンブル漫画の傑作です!
借金に追われる青年、梶 隆臣(かじ たかおみ)は、パチンコ店で知り合った男性、斑目 獏(まだらめ ばく)に救われます。
実は獏は「嘘喰い」と呼ばれた伝説のギャンブラーでした。獏はかつてギャンブルの場を取り仕切る謎に包まれた組織「賭郎(かけろう)」のトップを賭けた勝負「屋形越え」に敗れ、再挑戦の機会を狙っています。
その強さと生き方に惹かれた梶は、獏と共に命を懸けたギャンブルの異常な世界に足を踏み入れていくのでした…。
一言でいうと凄まじい作品です。ギャンブルでの心理戦や精神戦、それに伴う肉弾戦が並行で描かれるのですが、どちらも超一流です。
特に伏線の張り方は天才的。ほんのわずかな、何気ない描写が実は伏線として意味を持ってきたりするので、読んでいて何度鳥肌が立ったことか。
また、絵の表現も素晴らしいです。初期は普通なんですが、進むにつれて進化していきます。最後の方は芸術的と言って良いレベルですね。画力も表現力も、ありきたりな漫画とは一線を画しています。
最終話手前の獏。こうして見ると1話とは全然違いますね。
それにしても、この凄みと空気感…!!ゾクゾクします。
キャラクターも異常なほど個性的ですが魅力的。梶の成長もきちんと描かれているのも良い!
間違いなく、ギャンブル漫画の最高傑作の一つです。長編ですが、読み終えた後、まだまだこの世界に浸っていたい気にさせられる名作なので、是非一度読んでみることをオススメします!
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