yofuu’s memo

あらゆるものを一口レビュー

【漫画レビュー(完結、続編あり)】「AIの遺電子(あいのいでんし)」山田胡瓜 評価:☆☆☆☆☆

人格の無い「ロボット」と人格のある「ヒューマノイド」、そして人間が共に暮らすようになった近未来で、機械的な病を診る「新医科」の医者の話。

聞いたこともない作品だったんですが、読んでみると鳥肌が立つほどの名作でした。

近未来。そこでは、人格と知性の無い機械である「ロボット」、人格と知性を持った機械の「ヒューマノイド」、そして人間が共に暮らしています。

 

その世界で、人間に電脳装置を埋め込んだり、ヒューマノイドの電脳に異常があったときに治すのが「新医科」の医師。須藤 光(すどう ひかる)は新医科の医院を開業しながら、一方で「モッガディート」という偽名で闇医者としての仕事をしています。

 

そして須藤が様々な患者たちと出会う中で、ドラマが生まれていきます…。

 

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引用元:山田胡瓜「AIの遺電子」第1巻第1話 秋田書店、2016年

 

まず、設定が非常に綿密に構成されていることに驚きます。そして、そのおかげで自然に作品の世界に入り込むことができます。

 

更に、その中で展開される様々なドラマ。余韻を残す結末に、人間とは何なのか、感情とは、知性とは…と深く考えさせられます。

 

しかもそれがほぼ一話完結という形で濃密に圧縮されているのです。

これはもう、ブラックジャックに匹敵する神作と言うしかないでしょう。

 

SF好きなら絶対に読むべき。そうでなくても、一度読んで見ることを強くおすすめします。

 

尚、続編に本作の続きを描いた「AIの遺電子 Red Queen」、前日譚の「AIの遺電子 Blue Age」がありますのでそちらも是非どうぞ。