【漫画レビュー(完結)】「ぼくが紡ぐ君のコトノハ」くまき絵里 評価:☆☆☆☆
書くことができなくなった少年と、秘めた感情を持つ少女が出会い、言葉と思いを紡いでゆく物語。名作です。
中学生にして小説家としてデビューしたものの、その後書くことを止めてしまった少年・紡(つむぐ)は高校生になり、国語資料室に入り浸るようになっていました。
そこに現れたのは同じクラスの国語が苦手な少女・ことは。
ひょんなことから彼女の読書感想文を手伝うことになった紡は、ことはのペースに巻き込まれるうちに少しずつ言葉を取り戻していくのでした。
テーマに相応しく、使われている言葉に美しさと透明感を感じました。すっと胸に入ってきて感情を揺さぶられます。
キャラクターも好感度が高いです。天才ともてはやされながらも挫折した紡も、ただ明るいだけの子かと思わせておいて実は複雑な思いを抱えていることはも、それぞれに奥行きを持っています。
そして、そうした背景を持ちながらも、2人ともそれを乗り越えて前を向こうとしているのがぐっときます。
物語が過不足なく簡潔にまとめられているのも素晴らしいです。
万人におすすめできる名作ですが、特に言葉に敏感な方には一度読んでみて欲しいです!
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