【漫画レビュー(完結)】「ドッ硬連」松田一輝 評価:☆☆
トンデモ展開のバトル漫画。訳の分からない展開や世界観、突然湧いてくる設定にツッコみながら楽しめる人向けかと思います。
スガタ財閥の跡取りである姿 強平(すがた きょうへい)は、名門の高校に入学するはずだった日の朝、代わりに荒れ果てた東凱(とうがい)高校に行けと父親から命じられます。そして、登校の際に着ていくようにと渡されたのは古い学生服。金ボタン10個が付いたその服は、関東最高幹部総長のものだったのです。
生まれてこのかたケンカというものをしたことがなかった強平ですが、否応なしに戦いの日々が始まるのでした…。
いきなり「関東最高幹部総長」という言葉が出てきますが、作品内でもそうなっています。どういう組織なのか、目的や構成の説明は全く無しで、いきなり「総長」「師団長」「準幹部」といった役職名だけが飛び交います。
全編通してこういう感じなので、この作品を読んでみようと思った人は慣れておいた方が良いでしょう。
強平が延々と敵と戦うだけなので、ストーリーはありません。
いきなり校門前にやってくる暴走族、中々戻って来ない幹部たち(注:高校生)。道交法違反なんて序の口で、街の破壊や傷害事件、殺人までもが堂々とまかり通る世界。
いつの間に世紀末になったんですか?
そして突然「気功拳」という拳法の達人だったことになる強平。
気功拳は精神を統一して「ホワタ~ッ!!」と指先で敵のツボを突くと、敵が破裂したりするという、無敵の拳法です。
…ん?どこかで見たような気が…デジャヴュかな?
終盤には、気功拳の奥義を巡る激闘になります。宇宙の気を集めた、コスモ十拳という人智を超越した力をも発揮できる技です。
…ん?どこかで聞いたような気が…デジャヴュかな?
高校生が、校庭によく分からない広大な地下構造の祭壇を作ってみたり、人間を生贄にするショーを大々的に開催してみたり、死んでも雷に打たれて生き返ったり(複数回)、と色々ありますが、全て「ホワタ~ッ!!」で解決です。
ちなみに、強平は気功拳を10年前に身に付けたらしいです。
…あ、これ年齢とか考えたらダメなやつだ。
深く考えず、半分ギャグとしてツッコみながら読むのが正解のような気がします。
そういう作品が好きな方には面白いかと思います。