【漫画レビュー(第一部完)】「或るアホウの一生」トウテムポール 評価:☆☆☆☆☆
将棋に全てを賭ける、棋士たちの物語。何度読んでも泣けます。
第二部を描いてほしい…!!
高以良 瞬(たかいら しゅん)はプロ棋士を目指す男子高校生。
ですが、 あと一歩のところで伸び悩んでいます。
努力は全員がしているし、実力も大差ない。
その中で強くなるにはどうすれば良いのか?悩んで悩んで悩み続けた結果がこれ。
引用元:トウテムポール「或るアホウの一生」第1巻第1話 小学館、2015年
面白すぎる。
これを見て名作だと思わない人間がいるでしょうか?
そして、この化粧をするようになってから瞬は勝ちを重ねていくのですが、やはり山あり 谷ありで…。
というのがメインのストーリーですが、登場するキャラクターがそれぞれドラマを背負っていて、群像劇のようになっています。
主人公の瞬は幼い頃に両親を亡くし、おじとおばの養子になっています。このおじさんとおばさんが凄く良い人たちなのですが、やはり本当の親ではないということで葛藤があるような描写もちらほら出てきます。
また、瞬が養子に来る前に隣に住んでいた元六冠棋士・灰島 紫紅(はいじま しこう)の存在感も大きいです。なんせ瞬に将棋を教えると共に「一生将棋を指しちゃう呪い」までかけていますからね。
後に、紫紅の人生も描かれますが…これがまたゾクゾクと鳥肌が立つほどの凄絶さ。涙なしには読めません。
引用元:トウテムポール「或るアホウの一生」第1巻第1話 小学館、2015年
引用元:トウテムポール「或るアホウの一生」第4巻第21話 小学館、2019年
引用元:トウテムポール「或るアホウの一生」第4巻第22話 小学館、2019年
引用元:トウテムポール「或るアホウの一生」第4巻第24話 小学館、2019年
瞬の化粧もそうでしたが、この狂気やそれを超えた将棋への一途な情熱の表現が凄いです…。
また、夢破れて去る人、ライバル、師匠など、それぞれのセリフや立ち居振る舞いから人生が垣間見えて世界の広がりと深さが感じられます。
引用元:トウテムポール「或るアホウの一生」第2巻第10話 小学館、2016年
特に瞬の師匠・光堂寺(こうどうじ)の一見ドライなセリフが凄いです…。
引用元:トウテムポール「或るアホウの一生」第1巻第1話 小学館、2015年
引用元:トウテムポール「或るアホウの一生」第2巻第8話 小学館、2016年
こんな名作が打ち切り(第一部完)になってしまっているなんて、本当に勿体ない…!
漫画界にとって大きな損失なので、第二部の開始を待ち望んでいます!