yofuu’s memo

あらゆるものを一口レビュー

【漫画レビュー(完結)】「マギ」大高忍 評価:☆☆☆☆☆

アラビアンナイトのような雰囲気を持つ、魔法が存在する世界。

2人の少年の出会いから、世界を股にかけての大冒険が始まります。

 1人はアラジン。どこか浮世離れしており、世の中のことを全くと言っていいほど知りません。本人は「旅人」と名乗っていますが…。

色々と秘密がありそうですが、純真無垢で素直な性格と小動物のような見た目は好感度が高いです。

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引用元:大高忍「マギ」1巻p.13 小学館、2009年

もう1人はアリババ。世界一の金持ちになるという夢のため、富豪にひたすらヘコヘコしています。が、本当は子供の命を犠牲にした富豪をぶん殴り、自らの危険をかえりみず助けに行くような熱い心の持ち主。

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引用元:大高忍「マギ」1巻p.77 小学館、2009年

この2人が出会って友達になり、世界に点在する「迷宮」を攻略する冒険に出るところから物語は始まります。

 

なんと言っても、特徴的なのはオリジナリティあふれる世界観

 

迷宮を攻略した者だけが持てる最強の魔法道具「金属器」、その力を身にまとう「魔装」、魔装した者が放つ防御不可能な「極大魔法」、その従者が持つ「眷属器」。

運命の流れ「ルフ」、それが生み出す力「魔力(マゴイ)」、魔力を使って奇跡的な力を発揮する「魔法使い」、無限の魔力を使って魔法使いの頂点に立つ創世の魔法使い「マギ」。

 

どこを取っても魅力的で、中二心を刺激されてワクワクしまくり。

 

やがて、冒険する内に仲間も増え、アラジンの秘密も徐々に明らかになっていきます。

そして世界を滅ぼす「黒の神(イル・イラー)」を降臨させようと暗躍する組織や大国同士の戦争という世界の危機に巻き込まれていくのです。

 

国の対立などがあるので、政治、経済、哲学的な話も出てきてスケールの大きなドラマが繰り広げられます。「七海の覇王」シンドバッドを始めとした魅力的なキャラクターが織りなすエピソードも印象に残ります。

 

そんな中、どんな逆境にあっても前を向いて乗り越えようとするアリババとアラジンの信念と勇気と友情には引き込まれました。

また一方で、節々に挟まれるギャグパートも秀逸で思わず吹き出してしまうことも。

 

一度は読んでおくべき名作だと思います。