yofuu’s memo

あらゆるものを一口レビュー

【漫画レビュー(完結、続編あり)】「ハリガネサービス」荒達哉 評価:☆☆

見た目と動きが気持ち悪い高校生たちが人外の技術とどこかずれたテンションで競い合う、変態高校バレー漫画

まずひと目で感じたことですが、とにかく絵が気持ち悪いです。立ち絵も動きも。

キャラクターの性格や言動もあちこちに違和感がありますが、それは後ほど。

 

主人公の下平 鉋(しもだいら かんな)は中学の試合でアキレス腱を切ってしまいます。ジャンプできなくなった下平は1年半の間、ひたすらサーブの練習に打ち込みます。その結果ピンポイントに打てるサーブ精度を身につけ、狙ってネットインまでできるようになります。

 

…って、もうその時点でツッコミたい!1年半のサーブ練習でネットイン狙えるなら、プロの試合はネットインだらけやん!!

 

まあそんな訳で、超人系スポーツ漫画です。

ボールが体のどこか一部に触れたら狙った場所に上げられるリベロとか、時間の流れが違うプレイヤーとかいますしね。

漫画ですから、そういう世界観として見ればOKです。

 

ですが、キャラクターの言動に違和感があるのはいただけません。

 

例えば、下平はアキレス腱を切ったときのトラウマが原因で、ジャンプできないことがあります。強豪校との練習試合のとき、そのせいで最後の1点を取られてしまいます。しかし、その前には他のレギュラーメンバーが手も足も出なかった相手にサーブで10連続得点してるので十分すぎる活躍をしています。

 

なのですが、勝ちにこだわる先輩が言ったセリフが 

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引用元:荒達哉「ハリガネサービス」5巻第34話 秋田書店、2014年

 いや、お前は全く通用せんかったやろうが!!

それなのに1人で10点取ったメンバー外せって正気か!?

 

これで「お前がまた最後の1点で飛び損なったらお前のせいで先輩たちの高校バレーは終わるんだ」とか言われても…ねえ?

出さなかったらその前に終わるっちゅうねん。

 

ストーリーはライバルと競い合いながら強豪校を倒すという、普通の部活ものです。ただ、やたらとトラウマになるような過去話ばかり出てきたり、盛り上がるはずのライバルチームとの対戦があっさり終わったりするので、話作りがあまり上手くないんだろうなあ、という印象は受けました。

 

キャラクターも個性豊かでそこそこ楽しめるんですが、こういう違和感がそこかしこにあるのが個人的には気になって仕方ありませんでした。

 

なお、結構人気はあったようで、全24巻と割と長く続いて完結した後、続編「ハリガネサービスACE」が連載中です。

多分好みの問題なので、ハマる人もいると思います。好みに合いそうな方は読んでみてはいかがでしょうか。