【漫画レビュー(完結、続編あり)】「ナンバMG5」小沢としお 評価:☆☆☆
普通の高校生になりたいヤンキー一家の次男。しかし何かと騒動に巻き込まれ、やむなく正体不明の「特攻服男」に変身しては解決していく…という話。
父親、母親、兄、妹、飼い犬まで揃ってヤンキーという一家の難波家に生まれ育った次男の難波剛(なんばつよし)。
14の中学を傘下に治めていましたが、ケンカばかりの毎日に嫌気が差し、普通の高校生になることを決意します。
が、家族が認めてくれるわけはありません。そこで、ヤンキー校の市松高校に通うと嘘をついて向かいの白百合高校に通うという、二重生活を送ることにするのでした。
ちなみに、家を出るときはこんな感じ。特攻服で高校通うとかおかしいやろ！ってのは作品内でも突っ込まれているので安心して下さい。
途中で着替えて、学校に着いたらこうなってます。この落差には笑います。
題材としては面白かったです。何か起こったときには特攻服に着替え、正体がバレないように活躍するというのも、ベタですが変身ヒーローを思わせて良い感じです。
キャラクターも概ね好感が持てます。
主人公の剛は真面目で優しく、頑張り屋です。その一方で、喧嘩するときは無敵です。なぜあの一家でこう育つんだ、という疑問は無かったことにしておこう…。
難波一家の絆が強くて仲が良いところも見ていてほのぼのします。飼い犬の松もイイ味を出してくれています。本当にいたら迷惑この上ない一家だとは思いますが、そこはフィクションとしてきちんと味付けされているので気になりませんでした。
また、周りの友人達とも、時にはぶつかったりしながらも友情を育んでいく様子が青春モノの王道を行っていて気持ち良いです。
ただ、ヒロインの藤田深雪(ふじたみゆき)の性格は最悪です。
剛は見た目の可愛いさに一目惚れするのですが、お金目当てで友人を売るような人間をヒロインにしないで欲しい…。せめて、そんな人間だと分かった時点で冷めて欲しかったなあ。
ギャグ要素なんでしょうけど、これだけは最後まで素直に笑えませんでした。
作品全体としては割と面白く読めました。
尚、続編として「ナンバデッドエンド」が描かれています。こちらよりちょっと重めの話になっていますが、気に入った方はどうぞ。
続編のレビューはこちら。
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