yofuu’s memo

あらゆるものを一口レビュー

【漫画レビュー(完結)】「イジメの時間」くにろう 評価:☆☆☆

些細なきっかけでいじめられる中学生の話。

胸糞が悪くなりますが、イジメの心理がよく描かれていると思います。

なんの変哲もない中学3年生の天童 歩(てんどう あゆむ)は、席替えでクラスの乱暴者鈴木山(すずきやま)の前の席になります。

そして席替えして早々のテストのとき、何故か机の中に鈴木山の筆箱が。

 

「筆箱を隠した」と因縁をつけられた歩は、それをきっかけにイジメの標的となります。誰にも頼れない中で、やがて死を決意した歩のとった行動は…。

 

最初から最後まで陰惨さの漂う話です。

 

f:id:yofuu:20211118084634j:image

引用元:くにろう「イジメの時間」第1巻第1話 双葉社、2019年

 

絵柄とも相まって読んでいて鬱々とした気持ちになりますが、いじめられる側の深刻さといじめる側の軽さがきちんと描かれていると思います。

何故イジメが起きるのか、何故誰にも相談できないのか、この作品を読めば誰もが理解できるのではないでしょうか。

 

歩のイジメのきっかけとなった筆箱事件の真相にはちょっと納得いかないところがあったりはするのですが、イジメを理解するのには良い作品だと思います。