yofuu’s memo

あらゆるものを一口レビュー

【漫画レビュー(完結)】「アライブ-最終進化的少年-」原作:河島正、作画:あだちとか 評価:☆☆☆

ある日宇宙から降ってきた「自殺ウィルス」。感染した人間は次々に自殺していくが、死ななかった人間には特殊な能力が芽生えます。やがてウィルスには目的があることが分かり…。

「生と死」という大きなテーマを背景にした能力バトル。少年漫画の王道です。

叶 太輔(かのう たいすけ)は友達思いの高校生男子。両親を事故で亡くし、同じ高校で保険医として働く姉の陽子と二人暮らしをしています。友達でいじめられっ子の広瀬 雄一(ひろせ ゆういち)を助け、幼馴染で世話焼きの落合 恵(おちあい めぐみ)に怒られ…という毎日を過ごしていましたが、ある日宇宙から「自殺ウィルス」が太輔と広瀬に降ってきます。

世界中で多数の人が死を選ぶ中、二人は生きることを選択します。そして、それと同時に広瀬は全てを無にする強大な能力を手にし、いじめっ子たちを殺害してしまいます。やがて警察に逮捕された広瀬は警察内に潜んでいた能力者にそそのかされ、恵をさらって「アクロの心臓」と呼ばれる謎の存在の復活に関わっていくことになります。

 

親友と対立し、ヒロインはさらわれ、少ない手掛かりを元にそれを追いかける…王道ながら、なかなか惹かれるプロットです。

謎も多く、結末が気になって読み進めてしまいますね。

 

ただ、残念なのは中心となる3人の魅力が今一つなところ。

脇役は割とクセがあって粒揃いなんですけどね。

 

太輔と道行きを共にするトラック乗りの、小学生なのにしっかりものの勇太、弟の仇を討つことに全てを賭ける奈美

敵役も、ボスで底を見せない勝又、独特な感性を持つ由良、憎めないかませ犬森尾、どこまでも自己中心的な華音(かのん)、割り切った性格の牧師麻生と内気な少年

他にも、ジャーナリスト根性で彼らを追いかける雨宮、などなど。

 

絵も最初は正直言ってイマイチ好きではなかったんですが、徐々に変わっていって、後半は文句なしに素晴らしかったです。 

 

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引用元:原作:河島正、作画:あだちとか「アライブ-最終進化的少年-」第1巻第1話 講談社2003

 

 


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引用元:原作:河島正、作画:あだちとか「アライブ-最終進化的少年-」第21巻第80話 講談社2010

 

第1話と最終巻の太輔と広瀬。…別人ですね(笑)。

 

テーマが大きすぎて消化しきれていない感もありますし、バトルが少しあっさりし過ぎていたり、勝又とか広瀬とか最後ちょっとなあって思うところもありますが、全体としてはキレイにまとまっていて悪くないと思います。