【漫画レビュー(完結)】「なれの果てのぼくら」内海八重 評価:☆☆☆☆
小学校で開かれた同窓会。再開を喜んだのも束の間、善性を試す悪魔の実験が始まる…。
密室で謎と秘密が絡み合うサスペンス。
高校2年生の「ネズ」こと真田 透(さなだ とおる)は夏休みに小学6年生の時のクラスの同窓会に招待されます。
仲の良かった仲間と久し振りの再開に喜び合い、小学校に泊まり込んでの同窓会にテンションが上がる元クラスメイトたち。
しかしそれは、当時のクラスの中心人物だった夢崎(ゆめさき) みきおの罠でした。
外に出られない仕掛けを施したみきおは、その閉ざされた空間で人の善性を試す実験を始めます。
やがて「仲の良かった最高のクラス」の秘密が徐々に明らかになっていきます。その中で次々と起こる新たな事件。
果たしてその真相とは?全てはみきおの手のひらの上なのか?
この異常な状況で善性を保ち、生き残ることはできるのか?
誰も信じることができないサスペンスの幕が上がります。
最初は「囚人のジレンマ」や「監獄実験」の様な心理学的な実験の中でのドラマかな、と思いながら読み始めたのですが…途中からどんどん意外な展開になり、目が離せなくなっていきました。
「果たしてこれは悪なのか?」「この状況なら、人はこういう行動を取ってしまうのだろうか」など考えさせられることも多く、面白かったです。
また、違和感のある行動や矛盾のある発言が引っ掛かるな…と思ったら実はそれが伏線となっていたりと、シナリオも驚くほどよく練られていると思います。
絵柄が見やすいのもポイントが高いです。内容がかなり複雑なので、それをスッキリ見せてくれて素晴らしいです。
サスペンスや密室もの、人の心理に興味がある方には特にオススメです!