【漫画レビュー(完結)】「お手てつないで」富田安紀良 評価:☆☆
男手一つで娘を育てている若い父親が、死に別れた妻とそっくりな女性と出会って少しずつ距離を縮めていく話。小説やマンガではよくある話ですが、リアリティが…。
まあ話としては割とありがちかと思います。が、この作品は設定がてんこ盛り過ぎてリアリティに問題が…。
大学4年生、22歳で4歳の娘が居て、しかも結婚4周年の日に妻と死に別れて半年。
18で結婚して子供が産まれてそのまま大学生活…?アルバイトはしていますが、さすがにそれは無理があるのでは。
しかも、妻が亡くなってわずか半年で似た女性に出会って惹かれ始めるとか、どうにも軽さが鼻につきます。周りの友人も、娘を見ててやるからナンパに行って来いとか、無責任すぎませんか…?
また、そのヒロインは保育園の保母なんですが、園児の父親と不倫していた過去を持っています。相手の家庭を壊したくないからと身を引いたところなのですが…
それで1人になった寂しさが、妻と死に別れた自分と同じだと思う主人公に全く共感できません。
バイト先の後輩女性も、ただの好奇心で人の繊細な部分を引っ掻き回すだけの迷惑な人にしかなっていませんし、好感の持てるキャラクターが子供しかいないのはどうなんでしょうか…。
娘が4歳にして聞き分けが良すぎるとか賢すぎるとかはフィクションとして面白いし構わないと思うんですが、前提となる設定のリアリティが無いのと、キャラクターが好きになれないのとで今一つ入り込めませんでした。
絵は見やすいし、娘の鈴里ちゃんは可愛いんですけどねー。
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