yofuu’s memo

あらゆるものを一口レビュー

【漫画レビュー(完結)】「復讐教室」原作:山崎烏、作画:要龍 評価:☆☆

残酷なイジメを受けた女子中学生の復讐劇。…だったんですが、進むうちにどんどんグダグダに…。

中学3年生の藤沢 彩菜(ふじさわ あやな)は、酷いイジメを受けていました。ゴミをかけられたり、殴る蹴るの暴行を受け、金銭を巻き上げられ、レイプされるなど、地獄の様な毎日。

 

しかしある日、車に向かって突き飛ばされ、殺されそうになった彩菜はついに復讐することを決意するのでした。

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引用元:原作:山崎烏、作画:要龍「復讐教室」第1巻第0話 双葉社2013

 

そして綿密な計画を立て、全てのクラスメートを一人ずつ罠にかけていきます。

 

この辺りはサスペンスとして中々面白いです。

 

 ただ、こんなことができる子がイジメられているという不自然さは感じてしまいますね。復讐しているときはやたら強気なのに、虐められているときはものすごく弱気で別人のようになっていますし…。

 

とは言え、最後までこの路線で行ってくれればまだ良かったと思います。ここからがこの作品の真骨頂後付け設定が次から次にわいて出てきます。

 

実は友達がイジメが酷くならないように努力していた、クラスの中心的男子が彩菜のことを好きだった、女子のイジメグループに入って傍観していたように見えた元親友が裏切っていなかった、女子のイジメグループのボスは逆に彩菜に復讐しようとしていた、イジメのボス的存在の不良が彩菜のことを好きだった。

 

 

いや、そもそも、そんなんやったら友達が助けてくれるやろ!?

根本のテーマである「イジメられた女子の復讐劇」がブレブレですよ。

 

まあ、そんなこんなで読者を置きざりにして、物語は進みます。

なんだか狂気感を出してみたり、ソウのパクリっぽいシチュエーションを出してみたりしますが、全く緊張感はありません

 

最初に全員分の計画を立てていたはずなんですが、完全に行き当たりばったりになり、落とし穴に落としたり監禁して暴行したりと方法もどんどん雑になっていきます。一人ずつの計画を入れていた封筒はどこにいったんだろう…。

  

最後もイジメがある限り復讐する人はいなくならない、みたいな匂わせエンドですけど、散々ブレた後だし、色々盛り込みすぎて特異な事例になっちゃってるし、取ってつけたようで白けてしまいました。

 

作画については、中二病的な表現が多くてシリアスなのに笑ってしまうことがありました。

多分格好良い表現をしたいんだと思いますが、みんな前髪が長くて見分けがつきにくかったり、不良のレンの目の周りがずっと黒かったり。

 

レンが出る度に「めだかボックス」の鶴喰 鴎(つるばみ かもめ)を思い出して笑ってしまうのでなんとかして欲しかったです…。