【漫画レビュー(完結)】「家栽の人」作:毛利甚八、画:魚戸おさむ、監修:山崎司平(第二東京弁護士会) 評価:☆☆☆☆☆
植物と人を限りなく愛する変わり者の裁判官と、彼に関わる人々を描くオムニバス。
静かで落ち着いた空気感の中に、深いテーマが練り込まれた名作です。
家庭裁判所の判事桑田 義雄(くわた よしお)は、時間さえあれば散歩をして植物を眺めたり世話をしたりしている変わり者です。
審判のときにも突然植物の話を始める桑田ですが、そこには深い愛情と洞察力が秘められており、関わる人たちを少しずつ変えていくのでした…。
たまに数話に渡ることもありますが、基本的に一話完結のオムニバスです。最後の話だけ長編となっています。
家庭裁判所が舞台なので、大きな事件などはありません。淡々と、小さな少年事件や離婚調停、相続争いなどが描かれます。
ですが、テーマは深い上にバリエーションに富んでおり、一話読むごとに考えさせられます。また、感動して目が潤むことも度々です。
少し昔の作品にも関わらず全く色あせないのは、普遍的なテーマを扱っているからでしょうね。
ただ、子供には完全に理解したり共感するのは難しいと思います。
大人に読んで欲しい名作です。
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