【漫画レビュー(完結)】「六道の悪女たち」中村勇志 評価:☆☆☆☆
悪女にモテる陰陽術をかけられたいじめられっ子が、平和で楽しい学園生活を送るために奮闘する物語。
ありがちなハーレム物かと思ったら、色々と期待を裏切られる名作でした!
不良だらけの亞森高校に通う六道 桃助(ろくどう とうすけ)は、友達の「大佐」と「課長」(どちらもあだ名です)と一緒に、毎日不良のオモチャにされていじめられる日々を過ごしていました。
平和で楽しい学園生活を夢見る彼らに、ある日死んだはずの六道の祖父から贈り物が届きます。それは「悪女にモテる」術が書かれた巻物でした。
それを手にした途端に術にかかってしまった六道の学園生活は、それまでとは全く違うものになっていくのでした…。
引用元:中村勇志「六道の悪女たち」第1巻第1話 秋田書店、2016年
正直、最初作品のあらすじを見たときには少年マガジンなどにありがちな面白くもないハーレム物かあ、と思いました。
とは言え、読んでみないことには批判もできません。で、ページをめくって驚いたのは女の子が可愛くない。泥臭い感じで絵自体があまり上手くないと思うんですが、これでハーレムものをやるのか!?と。
なんせメインヒロインがコレですからね。
引用元:中村勇志「六道の悪女たち」第1巻第1話 秋田書店、2016年
スケバンは良いとして、これで美人設定というのは無理があるやろ!
という感じで、「これはツッコミながら読むヤツだ」と斜に構えて読み進めていったんですが…。
気付いたらハマってました。
いや、自分でもビックリです。
最初はトイレでコソコソ文句を言うぐらいしかできず、術の力に頼りがちな情けなさ溢れるキャラクターだった六道ですが、少しずつ変わっていきます。
友達を守り、悪女を守り、敵にさえも情を見せる熱い男になっていくんです。
大佐と課長もそんな六道と共に成長していきます。
更に、悪女やその一味と敵対しては更生させて仲間にしていく、いわゆる「ジャンプ方式」がそれにピッタリ合っています。
ストーリーは大したものではありませんが、悪女たちのキャラクターに魅力があり、彼女たちが味方になって活躍していくのが痛快です!
特に幼田番長の頼もしさとか、最後までブレないどころかどんどん増していきますからね。最初の方に戦った敵もザコ化せずに最後までしっかり見せ場を作って活躍しているのが熱いです!!
ハーレムものかと思わせて、実は今どき珍しいぐらい王道を行く少年マンガの名作です。
熱い少年マンガが好きな人は是非読んでみて下さい!