【漫画レビュー(完結)】「中間管理録トネガワ」原作:萩原天晴、漫画:三好智樹、橋本智広、協力:福本伸行 評価:☆☆☆☆
人気漫画「カイジ」シリーズの登場人物、利根川を主役にしたスピンオフ。
既存作品の人気に乗っかっただけのつまらない作品かと思ったら、単体で本編よりも面白かった…!
主人公は、「カイジ」シリーズで主人公と敵対する冷酷な人物として描かれた利根川 幸雄(とねがわ ゆきお)。
帝愛グループという金融会社の幹部ですが、この帝愛グループは会長が絶対的な権力を持ち王のように振る舞う会社。
会長の無茶な命令とクセのある部下たちに囲まれた利根川の苦悶と葛藤の日々が描かれます。
めちゃくちゃ面白いのですが、何が面白いのかというと説明が難しい…。
ナレーション、キャラクター、シチュエーション、言葉のセンスや使い方といったもの全てが、ガチッと噛み合って笑える世界観と空気が作り出されている感じです。どれか一つを取り出したりはできないんじゃないかなあ…。
部下たちの信頼をつかもうと四苦八苦する利根川と、そこに乗って出世しようとしたり全くお構いなしに独自の路線を行こうとしたりする部下たちの関係や、なんだかんだで利根川に頼りっ放しのおじいちゃん会長。
利根川は上司と部下の間で板挟みになったり、思うように動かない部下に悩みながらも部下のことを真剣に考える理想の上司となっています。世の中間管理職の方に全員読んで見習って欲しい…!!
基本的にはギャグなんですが、最後は感動をぶちこまれて、これがまた非常に素晴らしかったです。
誰にでもオススメできる作品ですが、特に会社員の方は親近感を持って読めるのではないでしょうか。
尚、アニメ化もされています。
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