【漫画レビュー(完結)】「リボーンの棋士」鍋倉夫 評価:☆☆☆☆
元奨励会員の、復活の物語。万人にオススメできる名作です。
将棋のプロ棋士の養成機関である奨励会を年齢制限で退会となった安住 浩一(あずみ こういち)は、将棋のことを全て忘れてフリーターとして生活しています。
そんなある日、安住は将棋ファンのアルバイト仲間から将棋のイベントに誘われます。そこで偶然プロの指導対局を受けることになり、再会したのが奨励会時代に敗北した若き天才・明星 陸(あけぼし りく)。
最初は指導対局と甘く見ていた明星でしたが、安住の実力に本気になっていきます。ここから安住の復活劇が幕を開けるのでした。
絵柄がスッキリしていて爽やかな印象で読み易いです。
ストーリーも良いですが、この作品の一番の魅力はやはりキャラクターでしょう。特に安住と同じ立場でライバルとなる土屋 貴志(つちや たかし)が最高です。
暗くてネガティブでコミュニケーション下手、見た目も良くないという、とても好かれそうもない性格なんですが、天才肌の安住と違ってどこまでも泥臭く、地を這うように意地を通すところに感情移入してしまって応援したくなります。
安住に文句や否定的な意見を言いながらも結局協力したり、褒められてちょっと照れたりする辺りも人間味に溢れていて微笑ましいです。
正にヒロイン。
将棋に詳しくなくても、挫折から立ち直っていく人間ドラマとして素晴らしい作品ですので、どなたにでもオススメできます。安住達の、夢を諦めない姿に勇気づけられます!
それにしても、将棋漫画には名作が多いような気がしますね。将棋と棋士への深い愛がないと描けないからかな…?
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