【漫画レビュー(完結)】「リアルアカウント」原作:オクショウ、漫画:渡辺静 評価:☆☆☆
SNSをテーマにしたデスゲーム。
またありきたりなデスゲームものか…と思ったら意外と練られていて面白かったです。
高校2年生の柏木 アタル(かしわぎ あたる)は両親を亡くし、妹と2人で慎ましく生活しています。友達付き合いもしない彼がハマっているのは国民的SNS(ソーシャルネットワークサービス)「リアルアカウント」。
しかし、あるとき突然リアルアカウントのユーザーがその世界に閉じ込められ、アタルも巻き込まれます。
そこで始まったのは、負ければ死ぬ恐怖のゲーム。
全てのゲームをクリアすれば現実世界に帰れるという主催者「マーブル」に反発しながらも、生き残りを賭けてアタルはゲームに挑んでいくのでした。
「フォロワーの数」や「リツイートの数」「炎上」など、ゲームの内容はSNSにちなんだものになっています。
ルールは割と雑ですが、主人公たちが色々と考えて突破していくのは爽快感があります。
キャラクターもやや過剰なきらいはありますが、ちゃんと立っていますし、ストーリーもしっかり伏線が張ってあったりどんでん返しがあり、面白いです。
ただ、ラスボスの目的や手段など色々と破綻していたり、気になるところも多いです。
それならもっと他にやり方があるやろー!とか、ツッコミたくなります。
個人的に一番引っ掛かったのは「プレイヤーが死ぬとフォロワーが全員死ぬ」技術ですね。これについては作品中では全く言及がありませんでしたが、数百万人をネットワーク越しに殺せるって、兵器として核以上の影響があるのでは。
他のトンデモ技術は一応それなりに解説があったので、作品世界ではまあアリなんだろうとして見られたんですけどね。とは言え、無から物質を作り出しているようなのはちょっとどうなんだろうと思いましたが。
ツッコミどころは多いものの、絵は見やすいですし、悪くないと思います。
デスゲームものなので、グロテスクな描写が苦手な人は避けた方が無難です。