【漫画レビュー(完結)】「ゼクレアトル~神マンガ戦記~」原作:戸塚たくす、作画:阿久井真 評価:☆☆☆
「お前は漫画の主人公だ!」と宣言された少年と、その漫画を神漫画とすべく暗躍する作者の物語。
その試みはオリジナリティにあふれて非常に面白かったのですが…。
カン太こと山越 肝太(やまごし かんた)は平凡な中学2年の男子。
ある日、「ゼクレアトル」と名乗る謎の存在が現れ、自分が漫画の主人公になったことを知らされます。
物語をドラマチックにする為、カン太の世界に様々な干渉を行うゼクレアトル。
その真の目的とは?
メタ構造と超展開でカン太は神漫画になれるのか!?
引用元:原作:戸塚たくす、作画:阿久井真「ゼクレアトル」第1巻第1話 小学館、2012年
なんと言っても、主人公に「これは漫画だ!」とばらすメタ構造がユニークです。
そこから始まる超展開は先が全く読めなくて面白い!!
ゼクレアトル達が交わす漫画論も興味深いですし、そちらの世界でのストーリーも並行して進んでいくので更に目が離せません。
途中で作画担当が降りてしまったらしくネームの様な絵になりますが、逆にそれすらも取り込んでしまうのは熱意を通り越して執念すら感じます。
ここまでは本当に唯一無二の名作と言えるでしょう。
ただ、そこから最後にかけて急激に失速してしまいます。
打ち切りとなり、時間がない中で完結せざるを得なかったためか、安易で共感できない結末になってしまったのが残念です…。
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