第二次世界大戦の真っ只中にタイムスリップした現代自衛隊の最新鋭イージス艦の活躍と葛藤を描く戦記物。
私にはテーマが難解過ぎたのか、ぼんやりとした印象でした…。
200X年、新鋭イージス艦「みらい」は日本初の自衛隊海外派遣へと出航します。
しかし、出港後に大嵐に遭い、気付くとそこは1942年。太平洋戦争の真っ只中でした。
一隻でも当時とは比較にならない戦力を持つ「みらい」は、日本が敗北する歴史をも変えることが可能です。しかし、極力歴史を変えないよう、戦争には干渉しない方針を採ることになります。
そんな中、目の前で日本軍の戦闘機が墜落します。生存者を見捨てることができず、助けたことから少しずつ歴史が変わっていくのでした…。
歴史を変えること、人を殺すこと、命を救うこと…元の世界に戻れない困難な状況で次々に突きつけられる命題に対して、「みらい」の乗組員達がどういう選択をしていくのかというのが興味深く、考えさせられます。
ただ、キャラクターが多い割にそれぞれの印象が弱く、久しぶりに登場すると「これ誰だっけ…」という状態になることもしばしば。
ストーリーも重厚なのですが、それぞれのキャラクターの目的や行動方針がイマイチはっきりしないので分かりにくく感じました。
はつきりと明示されない、政治的な曖昧さのようなものを読み解ける方であれば面白いかも知れません。私にはちょっと無理でした…。
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