【漫画レビュー(完結)】「ぼっちなエースをリードしたい」水森崇史(みずもりたかし) 評価:☆☆☆☆
実力最強メンタル最弱の投手を抱え、どう戦うか。
普通とは違う視点の高校野球漫画。
高校に入学して早々に、甲子園常連校のレギュラーを獲得した犬井山 南央(いぬいやま なお)。しかし、親の仕事の都合で転校することになってしまいます。
犬井山が転校先として選んだのは、公立ながらも超高校級の投手宇佐木 北斗(うさぎ ほくと)を擁する月見高校。
犬井山は、寡黙で無愛想、単独行動を好む宇佐木を、能力が高すぎて周りから浮いてしまっていると分析します。しかし、実は宇佐木はただメンタルが弱すぎて他人とまともに話ができないだけなのでした…。
果たして犬井山は宇佐木と甲子園に行くことができるのか!?
引用元:水森崇史「ぼっちなエースをリードしたい」第1巻第1話 小学館、2020年
これはテーマが素晴らしいです。よくある熱血一辺倒ではないところが面白い!
更に、出てくるキャラクター達が敵味方含めてみんな個性的で良い性格をしており、応援したくなります。
特に宇佐木のメンタルの弱さから見せるウザ可愛さや、マネージャーになる日辻さんのヤンキーを目指しながらも責任感と善意の塊というギャップは最高に笑えます。
表の迫力と裏でウジウジ悩む姿との、この落差。
引用元:水森崇史「ぼっちなエースをリードしたい」第1巻第1話 小学館、2020年
それでいながら試合のシーンでは迫力があり、メンバーの細かい動きや心情もしっかり描写されているという素晴らしい名作です!
ただ、残念ながら全4巻で打ち切りになってしまっているんですよね…。これはタイトルのせいじゃないかと思います。
私自身、このタイトルを見て何かBL(ボーイズラブ、少年同士の同性愛)的な匂いを感じて後回しにしていましたから。
完結したと知って、試しに読んでみたらハマったので惜しまれます…!
ぜひ一度読んでみて欲しい作品です。