yofuu’s memo

あらゆるものを一口レビュー

【ブックレビュー(シリーズ第3巻/全10巻)】「想い雲」髙田郁(かおる) 評価:☆☆☆☆☆

みをつくし料理帖」シリーズ第3巻。

この巻も変わらず傑作です。こんなに高いレベルを維持して作品を書き続けるって、天才かよ…。

前巻のレビューはこちら。 

yofuu.hatenablog.com

 

想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)

今作でも、行方不明になっていた芳の息子、大坂天満一兆庵の後継ぎ・佐兵衛の手掛かりが掴めたり、吉原で鱧料理を作ったり、偽つる屋が現れたり、ふきの弟・が行方不明になったりと波乱万丈

 

その中を、澪が懸命に真っ直ぐに歩いていく姿に胸を打たれます

 

特に、吉原での鱧料理の場面。

 

楼主「女の作った料理なんか銭を払って食えるか!別の料理人を呼ぶから帰れ!」

料理人「手出し口出しするんじゃねえ!」

 

からの

 

料理人が噛まれる、毒のある血が目に入る

   ↓

澪が華麗にさばき、調理

   ↓

楼主「こ、これはなんという…」

 

このカタルシス

 

当たり前だ!俺の澪ちゃんを舐めてんじゃねえ、馬鹿野郎!

という気分。

それも、澪は見返してやろうなどという気持ちではなく、一心に幼馴染の野江のことを想っての結果なのが感動的

 

また、新顔として清右衛門の作品を出版している版元・坂村堂、源斎の母・かず枝も加わり、ますます賑やかに。小松原の正体も少しずつ分かってきます。

 

みをつくし料理帖シリーズの唯一の欠点は、つい目が潤み鼻をすすりしてしまうので、うっかり外で読むと周りの目が気になるところですね…。

 

また次巻も楽しみです!